第14話 リーリーサプライズ

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「ねぇ、ほら、とっても似合うよ」 「いやいやいやあり得ねえから。つかどうせならお前が付けろよ」 「イヤ」 「こっわ!真顔か!?」  クリスティエラの街はギルドが多く、それにともなって人の出入りも多い。  今俺とリーリーは、観光客向けの露店の前で、動物の耳がついた帽子をお互いの頭に押し付けあっていた。  なぜかと言うと、露店の前を通りかかった時に、俺がチラッとこの帽子を見てしまって、何をどう勘違いしたのか、リーリーの「欲しいの?買ってあげる」魔法が発動してしまったからだ。 「だからこんなのいらないっていってんの!」 「でも見てたじゃない!?チラッチラ見てたじゃない!」 「チラッと見ただけだろーが!ダメか?チラッともダメなのか!?」  リーリー判定は厳しい。いやでもさ、ネズミー的なところとか行ったことないから、耳付きグッズってちょっと気になんじゃん。見ちゃうじゃん。 「お前らあああ!!買うのか!?かわねぇのか!?あああん!?」  怒鳴り声に顔を向ければ、ファンシーな物を売っている露店に不釣り合いな、スキンヘッドのでかいおっさんが眉間に青筋を浮かべていた。 「すすすすみませんかいまあああす!!」 「よしよし」  リーリーと二人涙目で商品を買う。お金を渡すと、一転して笑顔になるおっさん。  俺たちは慌てて店を離れた。 「何あれ、絶対カタギじゃないよな」 「何いってんの。絶対カタギじゃないに決まってるでしょ」  ハアハアと息を切らし、手に持った動物耳の帽子を見つめる。 「せっかくだし被ってやるよ」  俺は黒い猫耳のついた帽子をかぶる。恥ずかしすぎる…… 「ふふっ、可愛いところもあるのね」 「うるせえバーカ。俺が今何歳か知ってるか?100超えてんだよジジイだよ」  と、リーリーに目を向ければ、白いウサギ耳の帽子を被る彼女と目が合う。 「に、似合ってる、ぜ?」 「らしくないこと言わないの!」 「アテッ」  リーリーの手刀が飛んできた。  でも、なんかこれ、悪くないかも。デートみたいじゃね?  ってまさかな、無いわ。
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