第9話 サマーダイブ!!

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 四日目の朝。帰るためにロビーに集まった俺をダンテが待ち構えていた。 「リク、すまない、少しいいか?」  俺はクラスメイトから離れ、遠くにいるウルシュラ女王に睨まれなが、ダンテのもとへ向かう。 「正直君が吸血鬼だなどとは、とても信じられんのだが」 「バカにしに来たの?」  ダンテは厳つい肩をすくめる。 「すまんな。そんなつもりはなかった。と、そんな事を言いに来たわけではないんだ」  改まったように俺を見るダンテが、ふと視線を逸らした先。そこには、大きな荷物を抱えたリーリーがいた。 「お嬢さんの立場上、直接声をかけるわけにはいかないが」 「なんだよ?俺も早く行かないと、ウルシュラ女王にキレられるんだけど」 「お嬢さんを、どうか守ってやって欲しい」  ああ、そうか。わざわざ何かと思えば、だ。 「国王の言葉に、君は失望しただろう。だから、この国の事よりもまず、お嬢さんの事を考えて欲しい。頼む」  豪快な男が、静かに頭を下げる。 「わかってるさ。俺だってそのつもりだ。まあ、リーリーを守れば、必然的にこの国を守る事になるだろうが」  ダンテは硬い表情を、少しだけ緩めた。 「だが勘違いするな!俺はな、お前らが考えてるほど強くはないんだよ!国?そんなデケェもんどうやって守るってんだ国王のバーカ!!」  と、ダンテは急に肩を震わせ出す。ガッハハハ!と豪快に笑った。 「それもそうだな!まあ、我ら国王軍もいるんだ!あまり気にせず、お嬢さんのそばにいてやってくれ」 「任せろ、おっさん!」  ひと通り笑うと、ダンテは帰っていった。  これで、3泊4日の研修旅行は無事に終わった。
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