セクハラ上司と腐れ縁の同期

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セクハラ上司と腐れ縁の同期

肌寒い冷たい風に頬を撫でられ、涙で霞む目でふと空を見上げた。 どこまでも冴え渡りぴんと張り詰めた夜空に、月明かりの柔らかな光りが煌々と照らし出されていた。 「どうした朔也、気持ち良くないか?」」 くくくと、背後の男が嘲笑う。 底知れぬ情欲を孕んだ低音ボイスに、背筋が一瞬で凍り付くーー 「・・・きもち、いい・・・です」 恐怖からか全身が縮み上がる。 顎や唇がガタガタと震えた。 「っーーん・・・‼」 脇の下から前へ伸びてきた男の指が、器用に胸の小さな突起を揉み続けていた。 ぐりぐりと捩られ、親指で押し潰されるように転がされ、堪らず男の名前を出し、声にならない悲鳴を上げた。 「課長ーーっん、ん!!」 上顎に冷たい掌が伸びてきて、ぐいっと掴まれ後ろ向きにされると、口をすぐに塞がれた。 口唇を無理矢理抉じ開け、課長のヌルッとした舌が中に入ってきた。 逃げる間もなく捕らえれ、蛇のように絡み付いてきた舌が激しくクチュクチュと蠢き、息も絶え絶えになった。 「っーーん!」 強く吸い上げられ、悲鳴にも似たくぐもった声を上げるとようやく離してくれた。 「課長じゃないだろ?公亮と呼ぶように教えたハズだ」 口の端からたらりと零れ落ちた一筋の唾液をぺろりと舌先で掬い上げ、耳朶をねっとりとした課長の舌がレ~~ロ、ちゅっ、チュパッーーとイヤらしく這い回る。 「ごめんなさいーー公亮・・・さんーー」 両手首は、頭の上に一括りされ、自分が身に付けていたネクタイで縛り上げられていて、完全に身動きを封じられていた。 後ろは二つ年下の課長に押さえ込まれ、前は・・・。 「・・・晋哉・・・もう・・・やあ・・・」 高校からの親友が、股間に顔を埋め、陰茎にしゃぶりついている。 唾液にぬめった舌で、小さな僕のをじゅぶじゅぶとと舐め回すーーにわかには信じがたい光景が目の前に広がっていた。 なんでこうなったのか、朦朧とする意識の中で必死に記憶を手繰り寄せた。 ハウスメーカーの中堅企業、ワタライホームでプランナーとして働いている僕は、営業課の度会課長に屋上にすぐ来い、と呼び出されたんだっけ。 隙あれば人の体をベタベタと触ったり、双丘を鷲掴みしてくる。スキンシップでもなんでもない、れっきとしたセクハラ行為を仕掛けてくる。 でも、社長の甥である彼に文句を言えずされるがまま。 真哉は課長の部下。 だからか、いつも見て見ぬふりでーー。 助けてくれることなど一度もなかった。 それなのになんで、こんな事に・・・。 「朔也、仕事中は集中しろと常日頃から言ってるハズだ」 課長の指が、小さな突起を指先で摘まむように挟むと、紙撚を作るように揉み上げてきた。 「ーーっあぁぁ・・・!」 キリリとした痛痒さに、あられもない声を上げ、体を前後左右にくねらせた。 無意識にしたその行為が、二人の男たちを煽るだけの行為だと知らずーー。
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