ひとり暮らし

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ひとり暮らし

鈴木くん(ちょっと変) 腹減ったな。 とりあえず飯作るか。 オレは鈴木卓巳(スズキ タクミ)高校2年 身長176センチ黒髪黒目特技は…料理?まあいいや。 1DKのこの部屋は、DK部分が広いから気に入ってる。 鍋で湯を沸かしながら、あくびを噛み殺す。 一人暮らしは高1んときから。 親父に蹴り出されたら、母親が用意してくれた。 まあ親父の気持ちもわからなくはない。 けど、オレもいい加減頑固だし。 「別に迷惑、かけてねえのにな」 ぼんやりダイニングテーブルに腰かけて、灰皿を眺める。 禁煙は、現在進行形で惨敗中。 火をつけようとしたところで、チャイムだ。無視。 ふうっと吐き出した煙りに、また鳴り響くチャイム。無視。 根元まで吸って、煙草を灰皿に投げたところで、ドアを叩く音。さすがに出る。 がちゃり 「寝てたのかよ」 「寝てねえよ」 「遅いし」 「遅くないし」 言い返してたら、佐藤がぶうたれた。 現在絶賛ラブラブ中のダーリン佐藤。 今日のゴムにはイルカの玩具がついている。 まあいいや。 「入れよ」 「おっじゃま、しまあす!」 にっこり笑って中に入った佐藤。 パーカーを脱いだTシャツの背には『天晴れ』 いまいちよくわかんねえ。 部屋の中をキョロキョロ見回してる。 ああ…脳みそが天晴れなのか。 一人納得してキッチンに戻る。 「ハニー俺も腹減った」 「ダーリンもう少し待ってろよ」 なんでオレがハニー?まあいいけど。 二人分のスパゲティを鍋に放り込む。 「ハニー煙草は止めなよ将来のために」 「妊娠したら禁煙する」 つまんなそうに灰皿を眺める佐藤の前から、灰皿をどかしてシンクに置く。 「腹減ったあ」 「あと10分待て」 ダイニングテーブルからベッドに移動した佐藤。ごろごろしてからベッドの下を覗いてる。 「なんか…何もねえ部屋だな」 「エロ本はないな」 「ビデオは?」 「この部屋のどこにテレビがある?」 佐藤は頭を抱えて唸っている。 「テレビないって信じらんねえ…」 「信じろ現実テレビはない」 フライパンでオリーブオイルを熱して刻んだニンニクと唐辛子をサッと炒めてパスタ投入。 味を整えてから皿に移してテーブルへ。 「ダーリン出来たぞ」 「ハニー大好き」
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