一緒に住もうよ

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「や、だあっ……、もう、イかないっ、いかな……っ、んんぅっ!」 「はぁ、はっ……ふふっ、イっちゃったね。気持ちいい?」 「っ……! き、気持ちいい、けどっ……さすがにもう、イきたくない……」  後背位で責められ続け、もはや自分でも何度絶頂に達したのか分からない。  それなのに杏介くんはまだ一度も達していないから、申し訳ないやら恥ずかしいやらで私は繋がったままベッドに顔を突っ伏した。単純にイきすぎて疲れてきたせいでもある。 「なんでイきたくないの? 気持ちいいじゃん」 「げ、限度ってものがあるでしょ!?」 「そう? 俺、今日はまだまだシたいんだけど……そんなにイくの嫌?」 「うっ……だ、だって、あんまりいっぱいイったら、その……」  もごもごと口籠もると、杏介くんは背後から私の顎をすくって目線を合わせる。  無言ながら続きを促すようなその仕草に圧されて、私は顔を伏せたまま言った。 「……最後まで、ちゃんと杏介くんのこと感じてたいのに……いっぱいイったら、何が何だか分かんなくなっちゃう」  今日のように彼が「まだまだシたい」気分の時、行為が終わるまで私の意識がはっきりしていることはほとんど無い。大抵、次に意識が戻ったときには朝を迎えていたりするのだ。  そういった時は杏介くんがちゃんと達したのかを確認する余裕も、情事後の甘いピロートークなんかももちろんなくて、私はそれが少し不満だった。  でも気持ちいいんでしょ、と言われてしまえばその通りなのだが、私としては過ぎた快感を得るよりも彼と触れ合う時間を楽しみたいという気持ちの方が大きい。
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