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水族館の目の前には、海岸が広がっている。
海と空の煌めきが眩しくて、サングラスをかける。
窓から海岸を歩くたくさんの人が見える。
「常盤、海に行って来ていいよ。
ここで見てるから」
「行きませんよ。あなたと一緒にいる方がいいです」
「ごめん。日差しが苦手なんだ。
眩しくて周りが見えなくなるし、
日焼けすると真っ赤になる」
「謝ることではありません。
では屋内か夜間に楽しみましょう」
常盤との外出は正直、大変楽しかった。
「今日はありがとうございました。また会いたいです」
常盤が帰り際に言ってきた。
「こちらこそありがとう」
俺はまた会ってもいいのだろうか。
「返事はゆっくりでいいです」
常盤は微笑んだ。
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