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光宙は目を白黒させて聞き返してくる。
「どういうことだ」
「前にも言ったじゃん、俺たちは人間に自分の言葉を話せない。何を問われてもイエス・ノーを正確に伝えられない。人間達は察することしかできないんだ。それでもお前の様子を見て『多分こうじゃないかな』と判断して心配してくれたんだろ。俺だったら嫌だよ。聞かれたことに返事をしてくれない奴の面倒見るのは」
光宙の垂れていた尻尾が、ひょっこり起き上がった。残念なことに、声もいつもの不遜さが蘇っている。
「澄乃ちゃんの愛は、俺が気づいてないだけでいつも注がれていたのか」
こういうことを言うと調子に乗るが仕方ない。
「光宙。お前が欲しい物ってさ、チョコレートじゃないでしょ。もう貰ってんじゃん。毎日毎日」
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