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夕方にお母さんが洗濯物を取り込もうと庭の窓を開けたタイミングで、外に出ていつもの空き地に向かう。
今日は時間が遅めだからいないかもと思ったが、目先の信号を渡ろうと前足を蹴った瞬間に声を掛けられた。
「ルー……トヴィッヒ!」
声色と、吾輩の名を呼ぶ時の妙な癖。恋の病に罹患したヤツは満面の笑みを浮かべている。
「なんだ。今日は元気そうじゃん」
「元気じゃないはずないじゃないか。これを見ろルー……トヴィッヒ」
光宙は吾輩の目と鼻の先にまで近づいてくると自慢げに首を見せて来た。
「貰えたのか。チョコレート」
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