4章

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 いつも光宙が付けている首輪に、板チョコレートの形をしたチャームが取り付けられている。 「俺の白い毛によく映えるだろう? 似合うって澄乃ちゃんも言ってくれたんだ」  吾輩はチョコレート信者なんかじゃないが、お母さんと公園に来た子どもみたいにクルクル回ってはしゃぐ姿を見ると羨ましいと思わなくもない。 「うん、俺も似合うと思うよ」  「そうだろ」と鼻の穴を膨らませていた光宙は、横断歩道の向こうで二つ結びにしている女の子が歩いているのを見つける。  
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