1章

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「ていうかさ、お前チョコレート貰ったところでさ、食えないじゃん」  真白な身体にツンと立った耳。細い尾まで綺麗にブラッシングをされている。そう、こいつは澄乃ちゃんの飼い猫だ。ちなみに吾輩も、珍野家ではなく田中家の唯ちゃん宅の三毛猫だ。 「猫はチョコレート食べられないの。テオブロミンっていう成分が身体に毒なの。お前毒貰って嬉しい訳?」  光宙は呆れたとばかりに溜め息をつく。 「澄乃ちゃんが作るチョコが毒な訳ないだろう」 「毒なの! お前が食った時に限り!」  なぜ猫は、人間の言葉を話せないのだろう。澄乃ちゃん、君の飼い猫は阿呆だ。
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