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2章
「お帰り、ルーちゃん」
日が沈み掛かった頃、吾輩がリビングの窓を開けたことに気付いた兄さんが迎えに寄ってくる。
「疲れた……」
吾輩はふかふかのカーペットの上に直行し大の字になった。
「ピカチュー、なんだって?」
「澄乃ちゃんからチョコレート貰いたいんだとさ」
兄さんはキャビネットの上に吊り下げられているカレンダーを見上げて「あぁ、来週バレンタインか」と呟いた。
「なんだそれは死にたいということか」
「いや、食って生還するつもりだ」
「尚更ルーちゃんに相談してもダメだろ」
兄さんは口を大きく開けて笑う。
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