2章

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「人と猫の恋愛か……ボーイズラブより特殊ジャンルだな」 「いや、最近はあるぞ。猫はさすがにわからんけど、狼とかの異種生物の恋愛話」  吾輩はけっこうそういう漫画詳しい。兄さんは目を丸くした。 「マジ? 化け猫とか妖系は無しだぞ。ちょっと人っぽく描いてるだろ」 「いやあるて。しかもちょっとエッチな展開の奴」 「ほぉー、唯ちゃん持ってる?」 「スマホで読んでた」 「なんでもありだなあの娘」  吾輩が漫画、特にBLに詳しいのは、唯ちゃんの隣りや頭の上でいつも一緒に漫画や小説を読んでいるからだ。たまには兄さんみたいに王道少年漫画をじっくり読みたいのだが、唯ちゃんは男と男が絡み合ってるシーンでページを捲る手を止めてしまうので悩んでいる。  噂をしていると、ドアが開いた音と同時に「ただいまー」とちょっと濁音混じりの低い声が聞こえた。
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