2章

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 唯ちゃんである。お察しの通り吾輩の主人は腐ってるタイプの女子だ。2月14日なんてふんどしの日だと思っているに違いない。彼女は帰るなり手に持っていた推しと同じ服の色(セルリアンブルー)のマイバッグを床に下ろす。  どーせまたBLばっかり買ってんだろと思いつつ、主人が机の上に置く品々を見て吾輩は(おの)が目を疑った。 「え、嘘!?」 「何ルーちゃん」  兄さんが吾輩の顔を見て尋ねてくる。 「唯ちゃんが板チョコレート大量に買ってきたぁ!」 「嘘だろ、いや、牛乳、バター、小麦粉もある! これ彼氏がいるという妄想に取り憑かれてるに違いない!」  吾輩と兄さんが真剣な表情で話していると、背後からやたら不届きな声が飛んできた。 「ルー、貴方それでも腐女子の飼い猫なの?」
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