4人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
唯ちゃんである。お察しの通り吾輩の主人は腐ってるタイプの女子だ。2月14日なんてふんどしの日だと思っているに違いない。彼女は帰るなり手に持っていた推しと同じ服の色(セルリアンブルー)のマイバッグを床に下ろす。
どーせまたBLばっかり買ってんだろと思いつつ、主人が机の上に置く品々を見て吾輩は己が目を疑った。
「え、嘘!?」
「何ルーちゃん」
兄さんが吾輩の顔を見て尋ねてくる。
「唯ちゃんが板チョコレート大量に買ってきたぁ!」
「嘘だろ、いや、牛乳、バター、小麦粉もある! これ彼氏がいるという妄想に取り憑かれてるに違いない!」
吾輩と兄さんが真剣な表情で話していると、背後からやたら不届きな声が飛んできた。
「ルー、貴方それでも腐女子の飼い猫なの?」
最初のコメントを投稿しよう!