2章

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 姉の二葉である。吾輩達とお揃いの三毛の体の姉さんは、ピンクの首輪に付けられた鈴をチリンと鳴らすと澄まし顔で言った。 「姉さん、何が言いたい?」 「近頃は推しにバレンタインデーのチョコを捧げるのよ。知らないの? (ひびき)くんが麗哉(れいや)くんにあげるチョコ作るのよ」  吾輩は唯ちゃんの愛読している漫画を頭に浮かべ、だいぶやるせない気分になった。 「あー…」  やる、唯ちゃんなら、まじでやる。 「ちなみに響くんは料理が苦手だからちょっと焦げたガトーショコラ作ると見たわ」 「料理苦手な癖にそんな難しそうなお菓子作るのかよ」 「麗哉くんへの愛か」 「それ後で家族で食うんだろ、ワザと不味く作ったチョコケーキ」 「愛は美味しさを超越するのよ」 「家族愛は架空の人物への愛を下回るんだな」  吾輩たちチョコレート食べられなくてよかった。
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