34人が本棚に入れています
本棚に追加
「あたしがおとさんを見つけた時は、もうそのお店は立ち去った後だったの。でも豚足は一個だけ近くに落ちててね、たぶん食べ残しだと思う」
『それだけでもホント良かったよな! おかげでヨーコの鞭の先っちょに装備できたし』
言いたいことは山ほどあるさぶ太郎だが、まずは建設的に、解せないところから攻めてみる。
「あの……ピグみん族の皮膚ってこの世の何より硬いって……」
『お腹の中心だけは普通に包丁でも切れるんだよ。さすがは料理のプロ、あのバーさんはそれを知ってたんだろう』
どこか誇らしげにのたまう、件の料理食材。
「つまり、そのおばあさんに復讐するために行方を追っていると」
「まさか、違うわよ。あたしたちそのおばあちゃんにおとさんは美味しかったのかを聞きたいの」
「……はいー?」
わりと大らかなタイプのさぶ太郎だが、ここ一番さらに懐の大きさを要求されているようだ。
頑張れさぶ太郎、負けるなさぶ太郎!
『皮までキッチリ有効利用しようってバーさんだからな。きっと丁寧に料理してくれたんだろうけど。どうにも味が気になってなぁ……』
最初のコメントを投稿しよう!