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デッドorアライヴ、捕獲に生死を問わず。つまりそれは凶悪なお尋ね者の証。
チラとホログラムを流し見て、ヨーコが鼻を鳴らす。
「どうせ罪状は吸血による殺生ばかりでしょ。チスイー族ってほんとヘンタイ」
「チーッチッチッチ……お褒めに預かり光栄。さぁてプギずきんチャンはどんなお味かなー」
「チーッ? ちっこいニャンパラっぽい獲物もいるぞ……ついでに吸ってくチー……」
コーとモリーがじわじわと二手に分かれていく。
「ちょっとさぶたろ! あんた邪魔よ、向こうに行っ……!」
次の瞬間、さぶ太郎が大きく息を吸い込み……
「ガオオオオォォォーー!!」
吠えた。
それは空気を裂き、荒野をビリビリと震わせるほどのウルフゥ族の咆哮。
「な……っ!」
「チーーッ!? な、なんだ、目まいが!」
「足元が、……揺れるチーーッ!?」
シュタッと地面を蹴り、さぶ太郎がモリーに向かって飛んだ。
「うおりゃあああぁぁあ!」
振り下ろしたクナイが上からモリーの片耳を斬り落とす。
「チギャーーーー!」
「チスイ―族は超音波を用いたエコーロケーションで物を認識。大音響で隙を作り、耳を失くせば……立ってもいられませんよね」
仰け反り、耳を押さえてふらつくモリーの足元にさぶ太郎はさらにマキビシをバラ撒いた。
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