第一話 ヨーコとさぶ太郎 ~その娘、ピグずきんチャン~

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 デッドorアライヴ、捕獲に生死を問わず。つまりそれは凶悪なお尋ね者の証。  チラとホログラムを流し見て、ヨーコが鼻を鳴らす。 「どうせ罪状は吸血による殺生ばかりでしょ。チスイー族ってほんとヘンタイ」 「チーッチッチッチ……お褒めに預かり光栄。さぁてプギずきんチャンはどんなお味かなー」 「チーッ? ちっこいニャンパラっぽい獲物もいるぞ……ついでに吸ってくチー……」  コーとモリーがじわじわと二手に分かれていく。 「ちょっとさぶたろ! あんた邪魔よ、向こうに行っ……!」  次の瞬間、さぶ太郎が大きく息を吸い込み…… 「ガオオオオォォォーー!!」  吠えた。  それは空気を裂き、荒野をビリビリと震わせるほどのウルフゥ族の咆哮。 「な……っ!」 「チーーッ!? な、なんだ、目まいが!」 「足元が、……揺れるチーーッ!?」  シュタッと地面を蹴り、さぶ太郎がモリーに向かって飛んだ。 「うおりゃあああぁぁあ!」  振り下ろしたクナイが上からモリーの片耳を斬り落とす。 「チギャーーーー!」 「チスイ―族は超音波を用いたエコーロケーション(反響定位)で物を認識。大音響で隙を作り、耳を失くせば……立ってもいられませんよね」  仰け反り、耳を押さえてふらつくモリーの足元にさぶ太郎はさらにマキビシをバラ撒いた。
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