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「あー……こやつも一応、賞金首のお尋ね者でござった」
さぶ太郎は自分の武器であるクナイを足元の大男にかざしてため息をついた。
フワッと浮き上がったホログラムには 【ヒポポン族、名:カバチョ ニコマート強盗未遂にて指名手配。報奨金800t】 と書かれている。
クナイの柄には、お尋ね者の情報を確認できるsky WANTEDという機器が備わっているのだ。
「ショッボーイ。こんなんでヨーコさんに挑もうなんて」
シュルルンとさぶ太郎は自前のロープでカバチョを縛り上げ、傍の木の幹に固定した。
「…………」
そして何を思ったのか、今度はたき火の前に座っているヨーコに向けてスカイウォンを起動する。ぽわ、と浮かび上がった彼女の情報は。
【ピグミン族&ヒュムリア族のハーフ。名:チャン・ヨーコ 父親殺しの罪にて手配。報奨金一億t デッドORアライヴ 追記:さぶ太郎の嫁】
添付されているヨーコの可愛い顔写真と手配内容に、彼の鼻の下がテレッと伸びた。
何を隠そう、このフカフカさぶ太郎と最強WANTEDヨーコは、互いの掟が定めた許婚者。
かつて、噂の賞金首ヨーコに挑んださぶ太郎は、戦闘のドサクサで彼女のシッポを見てしまい、ヨーコもまたさぶ太郎の素のケモ耳を目撃。それが掟に触れた。
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