第二話 さぶミッション ~拙者のヨメはお尋ね者でござる~

6/17
前へ
/83ページ
次へ
『あああ!? ワシの仲間が……ピグミン族の戦士が目玉焼きの隣にー!』  その声はヨーコの父親、モー・マンタイのもの。彼女の頭の上で叫ぶ彼、それこそが最強の防御力を誇るヨーコのピグ頭巾。  マンタイはある日、昼寝の間に移動式中華料理店のババアに料理され、生皮は頭巾にされるという壮絶な最期を遂げた。  だが愛する娘のために根性でこの世に留まっている。 「にゃは。違いますよ義父上(ちちうえ)。これはSNSにアップする用に、マジパンで作ったコブタちゃんです。ちょっとした遊び心でござるよ」 『シュールすぎるわい!』 「でも上手に出来てるでそ?」  るんるんとさぶ太郎はスカイウォンの撮影機能で、そのひと皿もパシャ♪と写真に収めた。(映像はホログラムにて視認)  スカイウォンは優れた通信機器であり、多種多彩なネットワークサービス(SNS)に対応しているのだ。 「……へぇー、料理なんかアップするの。SNSやってるのは聞いてたけど」  もぐもぐとヨーコがフレンチトーストを頬張りながら、さぶ太郎を流し見る。 「そうですよー。拙者の更新、待ってくれてる賞金稼ぎの猛者がけっこういるんです。みてみてー」  彼がスカイウォンを操作すると、SNSの画面がホログラムに浮かび上がった。そこには……。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加