第二話 さぶミッション ~拙者のヨメはお尋ね者でござる~

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「ヨーコさん、また拙者のナマ耳見たぁー!!」 「今さらなによ! アンタだってあたしのナマしっぽ見たくせにーー!!」 『オマエたち……父の前でそんなイチャコラ、ハレンチな』 「イチャコラじゃないわよおとさん! キッチリ(いさか)ってんの、見りゃわかるでしょ!」 「破廉恥じゃないでござる。なぜなら拙者らはムコとヨメ!」 「まだ言うかおのれはーー!!」  スパパパパン! と往復ビンタを食らって、さぶ太郎のほっぺは満身創痍。 「う……、ひどいー! ヨーコさんなんて寝たら最後、なかなか起きないくせに!」 「はあっ!? それが何よ、なんか文句ある!?」 「あとあと、最近1㎏太ったくせに! 毎朝、寝てるヨーコさんをコッショリ持ち上げてるけど絶対1㎏増! 拙者にはわかるぅー!」 「なっ……ヒトが寝てる間にそんなコトをーー!?」 「わああああ! ヨーコさんなんかヨーコさんなんか、もう知らないでござるうぅぅぅ……!」  涙の雫を散らし、さぶ太郎はシュタタタ……と目にも止まらぬ早業で夜の闇に消えていってしまった。 『ムコどの、また家出か……かわいそに』 「非難がましい言い方やめて。あたし悪くないもん!」  フンッと鼻息も荒く、ヨーコは大の字に横たわって目を閉じてしまった。すると瞬く間にスースーと寝息が聞こえだす。 『ふむ……戦士たる者、早寝早メシ早ンコと教育したのは父であるこのワシだが。……やはりお前は最強じゃ、ヨーコ……』  さぶ太郎不在により、途端に静かになってしまったヨーコたちのパーティー。  荒野の中にポツンと灯る焚火が、宵闇の中でゆらゆら揺れながら静寂の時を数えていった……  のだが。
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