第二話 さぶミッション ~拙者のヨメはお尋ね者でござる~

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「──ギャギャギャウゥゥ!? な、なんだギャこれは、あ痛たたたたっ! ギャウウーー!!」 「…………ん……?」  寝起きの悪いヨーコでも、この慌てふためいた何者かの気配と叫び声でさすがに目が覚めた。 「足、足、足ぃ! 痛ったた、お? おっととと……ンギャウウーー!?」  続いてガランガラン! と、周囲のあちらこちらから木片のぶつかり合うような音の大合奏。 「…………」  ふらふらと、半ば寝ぼけたままヨーコは騒がしい音のする方へ。 「あああ、動くと絡まるぅー! 足チクチク痛いぃぃ……ああっ! 見つけたぞプギずきんチャン・ヨーコ!」  暗いのでハッキリは見えないが、爬虫類っぽい姿態の男がなぜか複雑なポーズを取ったまま身動きできなくなっている。  ヨーコは無言のまま、胸元のペンダントに内蔵されたスカイウォンを起動させた。 【コモドーラ族、名:ドラゴニア三世 傷害致死罪にて指名手配。報奨金1万t Dead or Alive】 (トカゲ派生ね……) 「オレ様はケンカ屋ドラちゃん! ちょっと本気を出すとすぐ相手は死んじまう。チマチマした加減が苦手でなぁ、困ったもんだ」  近づいてよく見ると、ドラちゃんはピアノ線のような細い糸に絡め取られ、足元には……無数のマキビシが。
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