第二話 さぶミッション ~拙者のヨメはお尋ね者でござる~

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「ここらで噂のプギずきんチャンをぶっ殺して、本物の悪党の仲間入りだ! わかったらこの変な蜘蛛の糸みてえな罠を外してオレ様と勝負……」  ズバッとヨーコの手刀がドラちゃんの脳天に入り、股までを一気に掻っ捌いた。  ズシャッと糸に掛かったまま二つに分かれた、今はただの肉片となったドラちゃんがようやく沈黙する。 「……あたしも加減は苦手なのよ」  仕掛けられた糸はテント周囲の木々をグルリと巡り、何者かが近づいてきて引っかかると、括り付けてある木片が鳴る仕組みになっている。その下には、これまたテントを囲むように無数のマキビシも。 「家出するたびに、わざわざこんなコトしてんの……」  一度眠ったらなかなか起きないヨーコさん。そう言ったフカフカちびすけの泣き顔を思い出す。 「……今のコモドーラ族でジャーキーできそうだなぁ」  テントと焚火の傍へと戻り、ヨーコはペンダント型のスカイウォンを握りしめた。
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