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キャメ男の顔が、ヨーコにわしづかみにされてギリギリと変形していく。
「女を舐めるんじゃない……!」
「グゴァ……ッ? ガ、ガゲグオ……」
キャメ男を吊し上げるヨーコは、今や般若か鬼神か、はたまた地獄の大王か。
「お金とか強さとか……、掟とか料理上手とか、素直とかフカフカとかLOVEアピール全開とか!」
「ホゲ!? ホガガゴゲニョーー!?」
「そんな事でホイホイその気になるほど、女は単純じゃないの!」
バキッ!と頬骨が折れて、キャメ男は地に落とされた。
「ヒイイイイーーッ!!」
「弱いヤツは働いて稼げ! 今すぐあたしの前から消えないと……」
頭巾の下のヨーコの口角が耳までクワアッと裂ける。
「……消す」
次の瞬間、キャメ男は脱兎の如く荒野の果てへ消えていった。ある意味賢明、判断力はあったキャメ男。
「全く。男ってどうしてこう単純でアポなの……!」
どうやらヨーコの逆鱗に触れたのは、弱さだけではない模様。
『ははは、オトコはそういう生き物だぞぃ。この父もな』
その声はヨーコの頭巾から発せられた。何を隠そう、これは彼女の父親そのもの。
「おとさんは別。皮だけになっても非の打ち所がない戦士よ」
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