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ほくほくと嬉しそうに、さぶ太郎は報奨金たった8トンガの手配書を眺めている。
「……ちょっとさぶたろ。この巻物に書いてある一日一忍って何の事よ」
「あ、それは最近の拙者の日課でござる。一日一回、忍んでヨーコさんのスカートをめくり尻尾を拝むという……」
スパーーン!と、さぶ太郎のほっぺにヨーコの消える平手(速すぎて残像も残らない)が炸裂した。
「おのれは毎日そんなコトしてたんかい! このドスケベニャンパラーー!!」
軽く5mほどブッ飛んださぶ太郎だが、すぐにピョコッと起き上る。
「ムコがヨメの大事なトコロを毎日確認してナニが悪いーー!」
「まだ婿じゃない! そうよ、この場でアンタを殺れば掟は無効よね!? 死人と結婚なんかできないもん!」
「拙者を殺っても8トンガにしかならないでござるー!」
『いや、ムコどのは生け捕りに限るだぞぃ』
こんな諍いも日常茶飯事。
ヨーコ命を公言するさぶ太郎とそれを拒否るヨーコの温度差は激しい。
『いい加減にせんか二人とも。ほれ、次の町が見えた。今夜はあそこで宿を取るぞぃ』
マンタイに叱られたヨーコとさぶ太郎は、互いにププイッとそっぽを向きながら町へと向かった。
もう二度と喧嘩も出来なくなるとは思わずに……。
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