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「そういえばここに来る途中に……! 頂上辺りがうっすら青く光ってる切り立った山、あれがそうね?」
『……行くか? ヨーコ』
マンタイをレオンから引き取り、ヨーコはベッドに横たわるさぶ太郎にかけてやった。
「おとさん、さぶたろをお願い。あたしが帰るまでコイツの身体に何事も無いように」
『うむ。ムコどのが腐らぬうちに戻れ』
レザースカートを翻してヨーコは部屋を、宿を、町を飛び出した。
目指すは西方、月明かりに頂を青く輝かせるクロワッ山。
「絶対生き返らせる……それまで腐るんじゃないわよ!」
夜の荒野をヨーコは全力で駆け抜ける。
その頭上には星が幾筋も降り注ぎ、目の前に捉えていた青い山が段々と……遠ざかっていく。
「……あれ?」
ヨーコは殺人的方向オンチであった。がんばれヨーコ!
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