第一話 ヨーコとさぶ太郎 ~その娘、ピグずきんチャン~

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 上目遣いになったヨーコの瞳の色が、ギラリと羅刹の色を帯びた。 「今度は首をもぎ取るわ……どこにいたって追い詰めるから」  本意気の殺られる気配に、ゴーダの巨体がぷるぷると震え出す。 「スゴイ……さすが自分の父親を殺し、生皮を剥いで頭巾にする非道な女。悪党のレベルが違う! わ、わかってる、ちゃんと田舎でメロン農家を継ぐよ!」 「ならよし。行って」  さぃならー……と、木霊のような別れの言葉を残しゴーダは一目散に走り去った。  その後に残されたのは。 「……なに、アンタ。いつからいたの」  ヨーコの花の(かんばせ)が、実にしょっぱい顔になる。 「ゴーダ殿の後ろでずっと順番を待っていたでござる」  そこには、全身黒い忍び装束のチッコイ奴が立っていた。  覗く手足や顔は真っ白でフカフカ、頭部は頬かむりで覆われているが、ピコッと三角ケモ耳のカタチが見て取れる。 「あ、白いしっぽも出てる。ニャンパラ族ね?」 「ち、違うでござる! 拙者は狼のウルフゥ族と忍者のコガニン族のハーフ、さぶ太郎と申す」  ペコンと頭を下げて、さぶ太郎が良い子のご挨拶。
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