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「ではでは。……挑戦ナンバー2番、さぶ太郎! はーじーめーてー!」
「いや、おタカラヅカの入団試験じゃないんだから、初めてとか2回目とかは……」
「問答無用! ピグずきんチャン・ヨーコ殿、お命頂戴つかまつる!」
さぶ太郎が懐に手を入れ、周囲に小さな菱形の忍具をバラ撒いた。
「……っ! これは、マキビシ!?」
「ご明察! どうだ、これで拙者に近づくことも出来まい!」
「…………」
ヨーコがさぶ太郎を見つめながら一歩、二歩と後ずさる。……そしてそのまま踵を返して遠ざかって行った。
「ああっ! コッチに来てくれない!? ならば拙者から……あああ、痛った! マキビシが足の裏にいぃぃ!」
「…………」
「かくなる上は……! 遠くの敵にはコレ、卍手裏剣!」
シュパパパッと三つの手裏剣がヨーコの背中に飛ぶ。危うしヨーコ!
「…………」
カツンカツン、と卍手裏剣がヨーコの頭巾に当たってポロリと落下。
「ああっ! さすがウルツァイト窒化ホウ素より硬いプギずきん、刺さらなーーい!」
ユラリ……とヨーコが振り返った。そしてグシャ、ワシャ、とブーツでマキビシを踏みつぶしながらさぶ太郎に近づいていく。
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