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いよいよ
それから、私達は忙しい日々を送りました。
上司に報告。
とてつもなく驚いていましたが、祝福してくれました。
休みをもらい、両家に挨拶に行きました。
どちらとも、喜んでくれました。
式は子供が産まれて、落ち着いたら再度考える事にしました。
家は稔君が住んでる、同棲をしていたマンションで暮らす事にし、全て落ち着き、私達は無事に籍を入れる事ができました。
稔君は約束通り、一緒に居なかった時間を補うように、一生懸命尽くしてくれました。
こっちが恐縮してしまうくらい。
産休に入った私。
「俺も産休をもらう!」
まで言い出す始末で…
私に激甘な彼は…
もうすぐ産まれてくる赤ちゃんには、さらに激甘でした。
4月に入り、予定日前日の朝方、お腹が痛くなりそのまま入院しました。
稔君がたまたま休みでよかった。
きっと1人だとパニックだっただろうから…。
「大丈夫?まだ我慢できる?」
「うん…まだそんなに…」
「じゃーまだ時間かかるね」
「…ねぇ?」
「うん?」
「詳しいね!あ、そっか!経験してるもんね!」
こんな事言うつもりじゃなかったのに…。
「俺、立ち会ってないよ。病院に行ったの、産まれて2日後だったし。」
「ごめん…」
「忙しかったからな…」
「ねぇ…会ってもいいからね?」
「うん?会わないよ。俺の家族は明日香とこの子だし。」
「でも会いたいって言われたら、会ってあげてね。」
「わかった。ありがとう。」
陣痛もだんだん進んで、話せないほど痛がる私を、稔君は必死に背中をさすり、飲み物を飲ませてくれ、一時も離れる事なくそばに居てくれました。
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