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縮まる距離
閉店後、本社とも連絡を取り、山田くんのご両親にも来て頂き、話をしました。
山田くんはクビ。携帯を解約するのを条件に警察には連絡しない。
そう決まり話は解決しました。
みんなが帰宅し、店長と二人きりになった瞬間、先程我慢していた涙が一気に流れ出ました。
「よくここまで我慢してくれた。」
そう言いながら、店長は私の頭を撫でました。
それにより一層涙が止まらなくなり…
「我慢させて、悪かった。ごめん。」
もー涙なのか鼻水なのか、わからない状態。
「頼むから泣き止んで?」
本気で泣きじゃくる私を見て、困り果てた店長は、私を引き寄せ抱きしめながら、頭を撫でました。
この時の私には、恥ずかしい…とか
戸惑う事もなく…
安心する事ができました。
しばらくして、落ち着いた私は
「すみません、もう大丈夫です。」
そう言って店長から離れました。
店長は以前から、私が山田くんにしつこく言い寄られてるのを知っていました。
携帯を確認した後、私の様子がおかしい事も気づいていたそうです。
「今日は念の為、送るから。」
私はその言葉に甘える事にしました。
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