終わりの始まり

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 屋上の時が止まる。  白石さんは目を丸くして固まっている。屋上には、風の音だけが響いていた。  数秒固まった後、白石さんはゆっくりと目を閉じて何かを考え出す。  え? もしかして可能性ある?  告白前よりも少しだけ胸が高鳴る。  俺は、(わず)かな希望を抱きつつ返事を待った。  やがて、白石さんはゆっくりと目を開けてこちらを見た。そして(つや)っぽい唇をそっと開く。
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