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第1話/ Prologue
「愛する我が国の皆さん、反乱は鎮圧されました。我が国は平和を取り戻したのです!!」
新しくこの国代表となった人間が高らかにテレビの中で演説を行い、人々が盛大な拍手を送る映像が何度も何度も映し出される。
それを見るのは、もう自分一人だけとなってしまった。
過激派組織主体による反乱への、ヒューマノイド型兵器の投入。
この小さな国で起こった反乱に大国が政府側の応援として派遣した新型兵器――それは、実験だった。人工知能を搭載し、あらゆる戦術を把握し攻撃と防御に長けたヒューマノイドたちはあっという間にゲリラをも一掃したが、あまりにも無慈悲な血のパレードに人々は増々平和の声を強めた。
反乱が鎮圧されると、すぐにヒューマノイド型兵器は回収――大国側の軍事縮小のパフォーマンスとして、今回の鎮圧に使われた兵器たちは処分されることが決まったのだった。
彼らには人間と同じか、それ以上の働きをする人工知能がある。自分たちの危機を知った彼らはしかし、自ら抵抗することはなかった。自分たちが世界から必要とされていないことを知っていたからである。彼らが何度かに分けて処分場へ向かう様子はニュースで何度も取り上げられていた。
それすらも。
『彼』は人のものと変わらずに見えるアンバーの瞳でぼんやりと無感情に見やっていた。
「No.A-Rack12、お前で最後だ」
そして、彼もまた処分場へと向かうため自らスイッチを切ったのだが――。
「なんだ、貴様たちは!?」
金目のもの欲しさにその日強盗に襲撃された場所からは、一体のヒューマノイドが盗まれ、いくつもの国を経て遠い国に転売されたのだった。
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