第一話 その少年、危険につき

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──政府直轄武装組織「葉隠」所有牢獄内面会室──  「風魔」一行は面会室に入る為に手続きをしている。  受付の女が云う。 「天道空様、天道あかり様、凛堂恵様、伊集院桜花様、如月響助様、灰吹悠馬様、以上六名の『風魔』構成員の照合ができました。奥へ御案内します」  六名は面会室に入る。  そこは、殺風景な白い部屋で、特殊防弾ガラスが部屋の中央を隔てていた。  五分ほど待った時、向かいの部屋の扉が開いた。  全身に拘束具を付けた少年が看守に連れられて入ってくる。  後方に小銃で武装した屈強な黒服二人が控えている。恐らく、彼が逃亡などの妙な動きをした場合に射殺する為だろう。  看守が少年に座るよう促す。  少年が席に座る。  顔に付けられていた拘束具が外される。  面会が始まった。  「風魔」を代表して、如月が面会を引き受ける。  「ヤア。僕は響助。如月響助だ。齢は十九。君のことも教えてほしいな」
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