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『厄』は部屋の上にあった。
「そんな……。一度も使ったこと無かったのに」
ひんやりとした空気を吐き出していたのは、紛れもなくエアコンだった。エアコンは妙な機械音を発しながら、苦しそうに唸っていた。それだけでなく、エアコンの後ろ側から僅かに煙が漏れ出ていた。
和人は昨晩の異常な暑さを思い出した。あの時からずっと稼働していたのだ。このポンコツエアコンが、暖房になったり冷房になったりして、暴走していたのだ。
旅行は一泊二日だったから、それと合わせると三日間、ずっとフル稼働……。
和人はひんやりとした床に膝をつき、がっくりと項垂れた。
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