血にけぶる地

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 数日後、警察の発表で遺体にある歯型を鑑定したところ大型犬のような牙の痕が確認された事、被害者らは失血死だという事が報告された。  事件があったK、A町は猟友会の人らが銃を持ってうろついたり、警察も24時間体制でパトロールするなど、異様な雰囲気に包まれ、引っ越す人もいるしまつだと、ニュースで報じられた。  最後の犠牲者発見から、3週間が経ち、その後何も起きなかったので、小学校は保護者同伴で登校する形で再開し始め、町は少し落ち着きを取り戻していた。  梅雨明け間近の蒸し暑い日、私はハナさんと彼女の行きつけのカフェを訪れた。 レンガ造りの建物は蔦に半分覆われ、内装はアイルランドの古城のようにゴシック感があり、大人の社交場という感じだ。 黒檀のロングテーブル越しでコーヒーを淹れている女性が微笑んだ。 「ハナちゃん、いらっしゃい。あら今日はお友達が一緒なのね。こんにちは」 「こんにちは」 (ハナさんから、ここの店主さんの事は聞いてたけど、なるほどミステリアスって言葉が似合うなぁ~)  スツールに腰掛け、メニューを手に取った。どれも魅力的だったが、本日のホットサンドとコーヒーのお得セットを注文し、改めて店内を眺めてみた。 アイアンのランプがおしゃれで、所々に置かれているインテリアはヨーロッパの香りがする。 「ハナさん、とてもシックで、心地よいカフェですね~。店主さんの感性が光ってるというか・・・。まちがっても鮭をくわえた熊の置物なんかないっすよね」 「マルさんの家にはありそうですね(笑)華乃さん・・・ここの店主さんはね、ちょくちょくパリの蚤の市で骨董品とか購入しに行かれてるんですよ」
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