血にけぶる地

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     6月6日 田舎新聞  6月5日早朝、K町で農業・山岡進さんが畑で倒れてるところを 散歩中の女性が発見。すでに亡くなっており遺体には、噛み傷があった(なんらかの獣のものとみられる)  一週間前にも同じような遺体が同町で見つかっており、県警は総力を挙げて付近を警戒中。学校は軒並み休校措置をとっている。 「ハナさん、うちの県この事件で全国から注目されてますね~」 「そうですねマルさん。早く解決するといいですね。なんの獣のしわざか特定されてませんけど」  梅雨の夜、私ことマルと、友人でライターをしているハナさんは和風カフェ兼居酒屋で夕食を共にしていた。  ガラス製の枡に入った冷酒をあおりながら、私は思ってることを口にした。 「この事件、獣のしわざなのかなぁ・・・。K町は田舎ですけど、近年は大型ショッピングモールとかできて人がどんどん流入してきてるし。イノシシや野犬も見かけたことないですよ」  ハナさんはうなずいた。 「そうですね。私が思うにこの事件を引き起こしているのは・・・」 「引き起こしているのは?」  ハナさんはサイドの髪を耳にかけながら言った。 「もしかしたら超常的なものが働いてるのかも」 私はバン!とテーブルを叩いた。 「キターーー!人に憑いた動物霊?あ、狗神かも?」 「ネットでも同じこと言ってるのありましたよ(笑)自分もこの事件興味があるので知り合いの捜査関係者に話を聞いたんです。両遺体とも、内臓を食べられた痕跡があると・・・・。」  その時、店内がざわめいた。
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