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俺はそうやって何度も月に怒鳴った。罵り怒鳴ったのだ。――面罵だ、面罵。俺たちは今対等に向かい合っているだろ。境遇を考えろ。同等だ。差別のない間だ。じゃあ、どうしてお前は見下し、素知らぬ顔だ。全人類罪を持ってるんだ。地球といちゃつくお前も罪はある。――馬鹿だ。大馬鹿だ。よりによって地球に近づくなんて。自ら神に罪を請うとは。物好きにもほどがある。
「ご主人様―。」
「うるさい。黙ってろ。」
また俺はかき氷を一口。ひんやりが頬を刺激する。――甘い。甘いな。カップを持つ右手は冷たくて辛い。
「おい、そこの近衛兵。どうだお前も食べるか。まだ氷はたんと冷蔵庫にあるぞ。まあ、遠慮するな。」
然しやつは無視をする。然も腫物扱いの眼を向ける。
「おい、何だその眼は。――ああ、分かるぞ。分かるぞ。確かにお前には関係ない。――いや、そこが間違いなのだ。関係ないと思うのが間違えなのだ。現にお前はそうしてそこにいるじゃないか。美味しそうに口を付けてるじゃないか。――何? 不味い。いや、嘘はよくない。虚偽は泥棒の始まりだ。――お前は自分は関係ないとしているだろ。自分は遠くのお姫さだと思ってるだろう。もうそこが違う。現代を舐めるのもいい加減にしろ。最先端技術を目に焼き付けろ。――ほら、分かっただろ。お前は関係のある人間だ。然も最も最悪な罪、阿鼻地獄行きだ。――はっ。汚く泣いてるんじゃね。てめえの所為で、何匹の人魚が死んだか。何頭の竜が死んだか。何体の餓鬼が死んだか。――そして、そこのお前もだ。」
彼の顔は白い。彼の腕は細い。――けどもう解んない。何が正しいのか。ジャスティスは何処だ。――ニル・アドミラリ。お前はジャスティスじゃない。お前は何も凄くない。
『For Well You Know That It's A Fool Who Plays It Cool* 』
偉大なあの方々もこう言ってるじゃないか。人類皆友達。体裁だけじゃあ、只の阿呆だ。
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