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「あれ?これって.......」
あたしは、目の前に置いたスマホケースに貼っていたステッカーに後悔をしていた。
「あら、これ心(しん)がやってるキャラクターじゃない」
彼のとなりにいる女性が嬉しそうに微笑む。
「おお、美波(みなみ)。そういえば、声優が好きだったよな。心くんは声優なんだよ!」
「う、うん.......」
お父さんが再婚することになって、その顔合わせ。
お父さんの再婚相手の息子さんが現れたとき、似ているなとは思った。
「似ているだけじゃなくて.......心、さん本人ってことですか?」
「うん。そうだよ。嬉しいな、妹になる子が俺のファンだなんて」
「あ、はは.......」
あたしは目の前の人がやっているアイドルアニメの「奏(そう)」というキャラが好きなだけで、別に心のファンではない。
でも、そのことを本人に言うのはさすがに悪いので、言えないし。
ただ、一緒に暮らすことになると、あたしの好きな声優が別にいることがバレてしまうので、部屋には入らせるわけにはいかない。
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