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あっという間に時は過ぎて、再婚相手の美津(みつ)さんと兄になる心が引っ越して来る日がやってきた。
「ごめんねー、美波ちゃん。手伝ってもらっちゃって」
「大丈夫ですよ!任せてください!」
お父さんは仕事で、心も収録があるとかで帰りは遅くなるようで。
「美波ちゃんみたいないい子が崇(たかし)さんの娘さんでよかったー。少し不安だったのよ」
「いい子だなんて。あたしの方こそ、美津さんみたいな綺麗で優しい人でよかったです!」
あたしを産んですぐお母さんは亡くなってしまったらしくて、あたしにはお母さんという存在がわからない。
だから、漫画とかで読むような、継母みたいな怖い人だったらどうしよう.......だなんて思っていたりもした。
でも、そんなのはあたしの心配しすぎだったみたいで、この前の顔合わせで安心した。
「心とも、仲良くしてあげてね。あの子、妹ができるの本当に楽しみにしてたから」
「はい、もちろんです」
あたしだって、上に兄姉が欲しかった。
だから、そんな存在ができたことは本当に嬉しい。
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