123人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいま、美波ちゃん」
美津さんとふたりで荷解きをしていると、後ろからポンっと肩を叩かれる。
「心、さん!」
「美波ちゃんさ、本当は俺のことさん付けでなんてよんでないでしょ?」
「あ、はは.......」
いつも友達と話す時とかは「心」って呼んでるけど、さすがに1つだけとはいえど年上だし、呼び捨ては失礼かなと思ってさん付けをしてみていた。
「いーよ。心で。俺も美波って呼ぶから」
「あ、うん.......」
なんとなく、心の声で「美波」って呼ばれるのは嬉しかった。
「そういえば明日!俺、オフなんだよね」
「そうなんだ?珍しいね、収録もイベントも入ってないなんて」
心は売れっ子の声優だから、土日はほとんどイベントが入っている。
心は、あたしの1つ上で19歳。
19歳でここまで売れる声優は珍しいって、前に友達が言っていた気がする。
心の場合は、イケメンだからってのも大きいみたいだけど。
「だから、デートしよ?」
「.......へ!?」
予想していなかった心の言葉に声が裏返ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!