温かい手

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 しばらくして俺は、自分がからかわれたことに気がつく。そして、取り繕うように言った。 「よせやい、おやっさん。そんなわけないでしょが!」 「ええ、無いですよ。 ですけど、お客さんが飲みすぎなのはハッキリしましたよ。」 そういいながら、居酒屋の親父は伝票に締めの目印を入れて俺の前に出した。 気づけば時計は夜の10時を回っていた。 俺は、いったいどこで記憶を失ったのかも思い出せなかった。
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