二話 転生

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二話 転生

「……ここが次の異世界か……」 さっき起きたばかりなのに また同じ眠気に襲われる。 その眠気を覚ますように目をこすりな がらあたりを見渡した。 「良かった……人がいなさそうな とこに転生して。」 どうやら俺が目を覚ました ところはどこかの街の路地の裏だっ たようだ。 別に異世界では転生者や転移者は 珍しくもないが、いきなり人の目の前に 現れて驚かせちゃうのも決まりが悪い。 その点今回は大丈夫だった。 「さて、まずはギルドでも探すか。」 俺の経験上、どんな異世界にも 必ずといっていいほどギルド らしき施設は存在する。 ギルドでは主に自身の職業決め、 レベルの更新やスキルまたは アビリティの獲得することができ、 そしてクエストを受け、 それに対しての報酬を貰う場となって いる。 そういう類の施設は大抵が街の中心部 にあるので一々人に聞く必要もない。 案の定、この街にもギルドと書かれた 真新しい看板がつけられている建物が あった。 「よし……行くか……。」 新設されたばかりなのか、 きれいな扉を開ける。 「いらっしゃ〜い! おや、 見ない顔だね? まさか異国から緊急任務に参加する ために来てくれたのかい?」 見た目は随分若いのに何やら 口調が年寄り臭いお姉さんが そんなことを言ってくる。 「緊急任務?」 「なんだ違うのかい?」 「えぇ、異国からやって来たのは 合っているのですが、その緊急任務 への志願者でないんです。」 俺がここで異世界から来たと 言わなかったのは、以前異世界 から来た人として迫害を受けた からだ。 ここが異世界転生者を受け入れて いるのかいないのかがわからない 現状では、まだそのことは 秘密にしていた方がいいだろう。 「じゃあ異国から何しにここへ?」 「何か職業に就きたいと思いまして、 それと恥ずかしながらこの国の ことをあまり存じていないので 情報調達にやってきました。」 「あ~あ、そうなの。 職業に就きたいのね。 じゃあ、ちょっと待っててくれる?」 受付嬢であろう彼女はそう言って カウンターの奥に姿を消す。 その間ギルド内を見てみると 俺がいる入り口の目の前に 階段があった。 その階段の上では何やら男性達の 賑やかな宴が開かれているようだった。 「ごめんね〜お待たせしました〜。 これ、この中に載ってある職業 から一つ選んでもらえる?」 受付嬢は歴史を感じさせる 古い書物を持ってきてくれた。
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