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俺たちが本当の家族になるまでは、兄貴は清掃のアルバイトをしながら夢だった教師になるために高校の採用試験を受けつつその日暮らしの生活を送っていた。前々からバイト先からは正社員にならないかという話が持ち上がっていたらしいが、兄貴は夢への希望を捨てきれずに断っていた。
だが、俺を養子にするにあたって、養育費やらを用立てるために生活を安定させる必要があった。夢か生活の安定か。その選択を迫られた時、兄貴は生活の安定─つまり俺との生活を選んだ。
だから兄貴が夢を諦めたのは、ほとんど俺のせいなのだ。
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