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「おい、どれで悩んでんだ」 「これとこれ」  そう言って、光は七色の縞模様のものとオレンジに白の文字でfreedomと書かれたピックを順番に指さす。文句を垂れたくせにちゃっかりさっき俺が示したものも含まれているのが気に食わないが、まあ候補が五個以上ではないだけましだろう。 「両方買ってやる」 「え~! どうしたの翔やん! 寝すぎておかしくなったんじゃない?」  失礼極まりない発言に苛立ちを覚えるが、今はこの状況を早く終わらせるのが最優先だ。ちらりとラックに貼り付けてある値札を盗み見て言う。 「まぁ、一枚百円なら妥協してやらなくもない」 「わぁ~い! やったぁ~!」 「た・だ・し、三日坊主になるなよ」 「あ~……うん……」 「そこは言い澱むなよ。親父さんが可哀想だろうが」
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