残  照

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憔悴している祖母をそのままに 通夜・ 葬儀の準備を進めていく。 「最後くらいこの家から出して  うちの墓に、父さんのそばに  送ってやろう」 父が言うので お寺や親類に連絡・・・ 行事は走り出すと経過が早い・・・。 突然の訃報からあっという間に 叔母は小さな骨壺に収まっていた。 最初に電話をくれた 弁護士の坂井さんに 「百合子さんのお宅の処理も  依頼されておりますので  落ち着かれたら、御連絡を  頂戴出来ますか」 弔問のあと、言われてから二週間、 母と私、それから 「百合子の住んでいたところ、  見ておきたい」 という祖母を伴い、 坂井さんと待ち合わせをして 大阪市内の一角にある 小さな叔母の家を訪ねた。
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