恋  嵐 ①

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中学からの同級生、香里奈。 高校でも僕達は一緒、 ただし、グループ的な感じで。 学祭の準備をしていても 僕と香里奈は気が合った。  「付き合えよ」 友達に言われて意識し始めた頃には 受験が始まっていた。 僕は東京の国立を、 香里奈は地元の国立を。 ”幼い心“は不思議なもんだ、 会わないなら薄れていく。 1年、2年したら思い出すことも 希になっていた初恋未満。 東京で就職して、結婚。 あっと言う間に 29歳になっていた。 僕らの再会は、僕の生家。 兄の見合い相手が香里奈、 見合いと言っても商売家同士の 出来レースみたいなもの。 ほぼ決まりの三度目の デートの帰りに家に案内した兄。 僕達は顔を見てすぐに 懐かしい声をあげた。 それが・・・・・この罪の、 背徳の呻きの始まりだった。  ー 僕らは気が合った ー そう、身体も合ったんだ・・・・。
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