恋と呼ばせて

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新婚カップルは二人とも 私の部署のメンバー。 二人は二十五才、同期だから すぐに意気投合したらしい。 部内でも、社内でも みんなが知るところの 素敵な恋人同志だった。 営業周りで彼と一緒の私は  「部長みたいに仕事が出来る   わけではない彼女」  「部長みたいな決断力を、   持ってない彼女」  「部長みたいに段取り良い   行動が、出来ない彼女」 彼からいつも彼女の話を 車の中で聞かされていた。 聞かされていたのは彼自身の話も。  「実はカケッコは苦手」  「朝からラジオ体操」  「コーヒーは砂糖がないと   飲めない」  「日曜日には母親と買い物」 いつもニコニコして 営業先で嫌なことがあっても  「嫌なこと、嫌なこと   飛んでゆけ~~~」 そう笑いながら 上司の私を気遣う年下。 彼らの恋が進行するのと同時に、 私も・・・・身の程知らずに 初めてあったときから 彼に恋をしていた・・・。
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