刹那の花

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二日もすると ゆきはなが恋しくなった。 独り者の三十・・・ 女が欲しいのもあるけれど ゆきはなが隣で 座ってるいるだけで なんだか数年ぶりの 疲労が抜けたような気がした。 「私なんてつまらない女を  呼んで戴いて・・・」 「つまらないことはないさ」 そうは返したものの 性的には愛想は薄い、 はっきり感じていた。 いや、薄いと言うより (忘れられない男がいる) 間違いないだろう。 だったら愛想の豊かな 性戯に長けた女を望めば 良いのだろうが 小綺麗にしたゆきはなの ささやかな部屋で 少しの酒と、季節の話、 それが心地好い睡魔を招き、 廓通い、“ゆきはな通い“に しばし、己れを流した。
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