ひとりぼっち

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大学へ入ってすぐに コーヒーショップで アルバイトを始めた。 十歳年上の店長は 同級生なんかより 頼りになるし、話上手。 (違う・・・ただ世馴れている  だけのこと、女に馴れてる、  だから・・・) 簡単に堕ちて彼の虜に。 虜・・・凄くピタリと来る言葉。 慣れたキスの向こうには 慣れた愛撫、慣れた愛撫の 向こうには女を歓ばせる 熱い躍動があって、その、 その果てには、嫉妬があった。 彼を離さない身体が 粘ったら声を覚えるごとに 見えない彼の暮らしを妬いて 焼いて焼いて焼いて・・・ 恋は灰になった。
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