罪 と 罰

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 「毎日毎日、写真が一枚、   送られてきました・・・」 被害者の常軌を逸脱した行動は 性もそのままなのかもしれない、 遊び馴れない男が 奔放に貪り狂う日々は すなわち、破滅の宴。  「これ以上は我慢出来ないと   彼女の部屋を訪ねました」 単身出向いたことが 悲劇の始まり。    「ケリをつけましょうよ。   でも勝負はついてるわ。   彼ったらこんなに私に   夢中なんだから」 何十枚もの情事の写真を 美春の前に拡げた挙げ句は  「もっとあるわよ、フフ」 テレビを点けて ビデオ上映までし始めた。  「怠慢なのよ、人妻なんて   家事して子育てしてる   機械じゃないの、フン   男の退屈なんかに気づきも   しないくせに」  「だったら・・・人妻に   ならなくていいじゃない   ですか?こうして   セックスの機械だけで   いいじゃないですか?」 美春にとって運がよかったのは この会話が、録音されていたこと。 愛人は、妻の醜悪ぶりを 男に告げ口をするつもり だったのだろう。    
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