罪 と 罰

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 「うるさい!」 激昂した女の平手打ちの音、 女が美春に飛び掛かった音、 揉み合う雑音、そして・・・、 録音が切れたのは、何かが 当たった弾みに機材に 触れたせいだと推察。 「先に包丁を手にしたのは  ・・・彼女です。  急に泣き出して・・・  『お願いだから別れて   もう独りになりたくない』  そう言いました。ずいぶん  身勝手な言い分に腹が立って  『離婚なんかしない!』  大声で、つい・・・・・」 そこで女が包丁で向かってきた、 間違いないだろう、美春の腕には 体を守ろうとして出来た 防衛傷が複数。  「怖くて怖くて怖くて   突き飛ばしたら、包丁が   落ちて・・・それを   彼女に渡したら、次は   自分の命がないと・・・!」 女を刺した衝撃の感触が 美春に甦ったらのか・・・ 震える我が身を抱いていた。   
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