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暗くなった公園のブランコに
ユラユラ揺れて・・・
貴方の家を眺めてた。
レースのカーテンのシルエット、
子供が走る姿が消えて
奥さんのウロウロする様子が。
きっと貴方が帰らないのを
心配しているのね・・・。
心配しても、貴方は帰らない。
もう貴方の家はここではないもの。
貴方は私の家の庭にいる・・・、
貴方の好きな南天の下・・・。
貴方ときたら、うちから南天を
持ち出したりするんだもの・・・・、
自分の息子のために。
うたた寝する貴方が憎らしかった。
愛していたから憎らしかった。
憎らしいから・・・・
もう永遠に目覚めて
欲しくはなかっただけ・・・。
そろそろ家に帰らなきゃ
貴方にお水をあげなくちゃ・・・。
ー 了 ー
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